腰の痛くなる病気の総称を腰痛症と呼びます。症状は様々です。
いくつか例を挙げます。
(1)四六時中、じっとしていても痛む
(2)背中が曲がってきた
(3)お尻や脚が痛む・しびれる
(4)脚のしびれにより長く歩けない
(5)体を動かした時だけ、腰が痛む
「四六時中、じっとしていても痛む」に当てはまる場合、もしかすると重い脊椎の病気や内臓の病気が隠れている事も考えられるため、念のため一度検査を受けられてみるのも良いかと思います。
「背中が曲がってきた」に当てはまる場合、骨粗しょう症によって背骨がつぶれる圧迫骨折が起きている可能性があります。骨粗しょう症は、骨の中がスカスカになる病気で、閉経後の女性に多く起こります。50歳過ぎから背中が曲がってきたら要注意です。しかし、生活習慣からくる前のめり姿勢という事も考えうるので、まずは深刻にならず、出来る治療、運動方法を一緒に考えていきましょう。
「お尻や脚が痛む、あるいはしびれる」、「脚のしびれにより長く歩けない」いずれか1つでも当てはまる場合、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど、腰の神経の障害が原因で症状が起こっている可能性があります。これらの病気は進行することがあるため要注意です。足先に力が入らない、つま先立ち、かかと歩きが困難という人も要注意です。
「体を動かした時だけ、腰が痛む」のみ当てはまる場合、腰の椎間関節や筋肉などが原因の腰痛である可能性が高く、その場合、当面の危険はありません。しかし症状が悪化した場合や、2週間以上症状が続くような慢性的な腰痛の場合は何かしらの治療を施した方がストレスの少ない日常を送れる可能性があります。
(※あくまで、一般的な症状の目安として記載しています。ご了承下さい。)
腰痛の原因に関連する疾患例をいくつか挙げます
・骨粗しょう症
・側彎症
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・坐骨神経痛
・急性腰痛(ぎっくり腰)
・脊椎圧迫骨折
・脊椎分離すべり症
・筋筋膜性腰痛症
・変形性股関節症からの波及
・解離性大動脈瘤などの血管の病気
・腎炎、尿管結石などの泌尿器の病気
・子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気
・胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気
・精神疾患や精神的なストレスによる心理的な原因
このように腰痛の原因になりうる疾患は多数存在しますが、
結論から言うと、ここには書かれていない非特異的腰痛というものが
全腰痛の85%を占めています。
非特異的腰痛とは、上記のような明確な原因が見つからないにも関わらず腰痛が存在する状況です。
画像診断と症状が一致しないため、原因の特定が難しい腰痛です。
そのため慢性化しやすく、結果的に難治性となりやすいです。